歴史歩く編 〜隣光院・長徳寺〜

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隣光院

伊豆の国市にある隣光院は、釈迦牟尼仏を本尊とする由緒ある寺院になります。
閑静な住宅街に所在し、地域に根付いた寺院です。

境内の入口には六地蔵が並び、参拝者を温かく迎えます。では、私の六地蔵について解説しますので、少々お付き合い下さい。

六地蔵(ろくじぞう)とは、日本の仏教でよく使われる霊地や守護の意味を持つ地蔵菩薩を指す言葉です。

地蔵菩薩は「地獄を含む六道(さと)をさ迷う衆生を救う菩薩」として崇拝されます。子どもや旅人、困難に直面する人々の守り手とされ、死後の安楽を願う信仰も深いです。

【六道とは】
日本仏教の考え方で、生きと死を繰り返す六つの世界のことを指します。
1) 天道(てんどう) – 天上界
2) 人道(じんどう) – 人間界
3) 修羅道(しゅらどう) – 戦いの世界
4) 畜生道(ちくしょうどう) – 動物の世界
5) 餓鬼道(がきどう) – 飢え苦しむ世界
6) 地獄道(じごくどう) – 苦しみの世界

なぜ「六地蔵」か?
「六地蔵」は、これら六道の苦しみを救い、往生を導く地蔵菩薩を祀ることを意味します。寺院の境内や道の途中に六地蔵像や石仏を安置することが多いです。

以上が私の解説になります。

長徳寺

瑞応山と呼ばれる臨済宗のお寺を訪れました。本山は鎌倉の円覚寺で、境内を歩くと静かな禅の気配が漂ってきます。拝殿に祀られている本尊は延命地蔵願王菩薩です。ちなみに韮山史には「河越地蔵」と記されているらしく、地蔵像が語る歴史の断片を思い浮かべつつ味わう時間は格別でした。

長徳寺の「十王堂」は、死後の世界や人々の信仰が色濃く息づく場所です。ここでは、十王尊・地蔵菩薩・奪衣婆が安置されており、それぞれに深い意味と物語があります。

👑 十王尊とは?

十王尊は、地蔵菩薩の化身とされ、閻魔大王を総領とする十人の裁判官のような存在です。人が亡くなった後、過去から現在までの善行や罪を「浄破離鏡」という鏡に映し出し、七日ごとに裁きを行います。

  • 七回の裁判を経て、死者の行き先が決まる
  • 身・口・意を清め、懺悔することで十王尊の加護が得られる
  • 苦しみの世界に落ちることなく、浄土へ導かれると信じられています

🔥 閻魔大王様の役割

十王堂の中央に鎮座する地蔵菩薩は、実は「閻魔大王様」。死者の罪業を裁き、次に生まれ変わる世界を決定する裁判長です。

  • 三途の川を渡った後、奪衣婆に服を脱がされる
  • 七日ごとに裁判が行われ、三十五日目に閻魔大王の裁きがある
  • 四十九日には「六道(地獄・餓鬼・畜生・修羅・人間・天)」のいずれかに導かれる

👵 奪衣婆さんの信仰

奪衣婆は、閻魔大王の奥様とも言われる存在で、死者の衣を脱がせる役割を担います。長徳寺では、生活が苦しい時代に「お乳が出るように」と信仰されてきました。

  • 丈夫そうな歯から「歯のお地蔵さん」として親しまれる
  • 美容や健康を願う人々から「美容のお地蔵様」としても信仰されている

このように、十王堂は死後の世界への想像と人々の願いが交差する神聖な場所です。訪れることで、古くからの信仰や文化に触れることができるでしょう。

境内に咲く美しい花々

十王堂を訪れた際、境内には季節の花々が咲き誇っていました。色とりどりの花が、厳かな雰囲気の中にやさしさと彩りを添えており、心がほっと和らぎます。
その美しさに思わず足を止め、写真に収めました。自然と信仰が調和するこの場所は、訪れる人々に癒しと安らぎを与えてくれます。

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